ラブホテルの前だった。
シャッターの音がする
加恵は思わず笑ってしまった。そこを男は写真に納めたのだった。
わたしは、笑顔を撮れたらラブホテルに入ることに同意はしていないということを主張をすることもできたが、それは人生において、また今の自分状況においてなんの役にもたたない。
というか、そんなことも思う間もなく、わたしはこの男といっしょにホテルに入ることに同意していた。
男「では、いきましょう」
加恵はシャワーをあびている。それが、外は暑かったので、さらっと汗を洗い流して、写真を撮るためなのか、これからこの男とするためなのかわからなかった。
わたしはバスローブを巻いて側室から出た。
男「じゃぁ、服を着てもらっていいですか?」
やっぱり、写真を撮るためだ。写真を撮るためにここへきたのだ。
わたしは男の前で服を着る。バスローブを落として。
そして、最後のひとつボタンをするかしないかというところで、男はキスをしてきた。
そして、そのボタンはまた順番にはずされていく。
わたしは、これは、写真をとるためなのか、セックスに向かうのか考えていた。
ちょっと、ぼおっとした、立ちくらみでもしたのか。
キスをしながら、ベッドに倒れこみ
倒れこんだというか、加恵がひっぱって誘導したのだ。
ホテルに誘ったのは、男からだったとして、その先は対等に誘い合う。そんなことを思う出した。
恋をしてセックスにもつれ込むなんていうのはちょっと久しぶりだった。
まだ、わたしは入れられてはいない。わたしはこのあと入れられてしまうのだろうか。
入ったかどうかは、ひとつの基準
わたしは、それの前に、男を気持ちよくしたくなった。
=恋とか愛の中略=
加恵「すごく気持ちよかった」
男「それはよかった。僕も…、我慢できなかった」
脳で考えることは大したことなくて、感情で動いている瞬間を大切にすること。加恵は火照った体をなでられながら思う。
加恵は、シャッターと私をなでる男の指先を見つめながら、余韻に浸っている。
つづく