蕎麦が茹で上がるあいだに
俳句をひねっていたら
俳句と蕎麦屋の怪しい関係に気づいた
蕎麦前「只今お蕎麦茹でてます」
お、それまで酒でもいただこうか
蕎麦前:そばが出てくる前に、酒を楽しむ
俳句前:俳句がうまれる前に、経緯を楽しむ
壁に貼ってあるお品書き「天ぬきとは…」
そうか、つまみには天ぬきだな
天ぬき:天ぷらそばから蕎麦を抜いたもの(諸説あり)
つまり 天ぷらにそばつゆをつけたもの
季語ぬき:俳句から季語だけとりだしたもの
人生から季節を味わうこと、人生のつまみにね
「まもなく蕎麦茹で上がります」
トッピングもいいなぁ
立ち蕎麦屋なら、かき揚げ山菜か、てんぷらか
俳句なら、そのあとに付け加える七七みたいなものか
「かけそば一丁あがり」
「あ、それじゃ、かきあげもちょうだい」
俳句
注文し 蕎麦前に季語 かけ俳句
トッピング短歌(お好みで)
人生茹でたて トッピング
こんなふうにして田中屋の俳句はゆであがった。
ちょっと気分がよかったのでかき揚げを追加してしまった。
かけそばだけでも充分うまい。そんな気分でいいじゃない。

作者紹介
出演ラジオ 第86回
田中屋のロード俳句
わけありの女
明日の沖縄雪予報