=田中屋式短歌= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。約30文字のメルヘン紀行へようこそ
俳句(田中屋式短歌57585)
本当に 行きたい人が みれるのは ダフ屋の存在 遠くなり
解説
2000年サザンオールスターズの茅ヶ崎ライブのチケットなんてのはファンクラブ入っていなければチケットが取れないという時代だった。僕はそのときの全財産3万円をもって茅ヶ崎市営球場へ出かけた。
当時はダフ屋という存在があったのだ。チケットがない者は「チケット譲ってください」なんてA4ぐらいの紙に書いて持っていたりする景色が普通だった。
僕はダフ屋に声をかけて交渉するのだ。ちょっと見た目の怖い人に
僕「チケットほしいんですけど…」
ダフ屋「いくら持ってる?」
僕「3万円です」
ダフ屋「話にならないね」
なんて言われ、場外でみることにするのだが、やるだけのことはやったという感覚があった。
お金があれば買えたというのがダフ屋の性質なのだ。
だがしかし、今はなんだ、転売禁止なんて言って、チケットと個人情報が一致していないと入れないという仕組みを作り出し、ダフ屋を排除してしまったのだ。
その結果、現場に行く楽しみは大幅に減ってしまう。最後のチャンスにかけるみたいなのがなくなってしまうのだ。
メルヘン解釈
この現状というのは、偶然当たった人が誰かに譲ることができないので、実際的には、本当に生きたい人より、なんとなく当たっちゃった人が多くなるという現状を生み出しているのである。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中
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