2017年と言えば井の頭Pastoral創刊の年である。ライバル誌としては上越のGIFTとしていた。
フリーペーパーのZINEとして、「持ち歩いていること自体がかっこいい」を目指し、表紙は初期のアンアンの影響を受けていた。
2017年の数年前から、雑誌というものに影響を受けていた。
ネットのない時代に、情報といえば、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌であり、その中でも、”趣味”というジャンルで言えば、雑誌が一番だったのではないかと思う。
例えば、「映画やドラマ」と「音楽番組やバラエティ番組」があったとしたら、本は前者にあたり、雑誌は後者に例えられるようなイメージを持っています。
ソフト化が難しいのです。
映画やドラマはTSUTAYAで借りられるけども、バラエティ番組音楽番組は、後にTSUTAYAで借りられないのです。そして、本は注文できたり、文庫本として残ったりしますが、雑誌は文庫本化とかしてくれなくて。
なので、僕は「雑誌」というジャンルをやりたいと思ったのです。
そうしてできたのが、井の頭Pastoralです。
例えば、ジャンプに収録されている漫画がコミックで後に買えたとしても、雑誌としてのジャンプは、その時代の流行りや広告とか載っていたりして、それはそのときだけのものなのです。
そのときだけものであり、あなただけのもの
なのです。
当時の前線を感じることができるのは、当時の情熱を持った少年だけなのです。
文:田中宏明