第9段落
翌日、目が見える2日目は、私は夜明けと共に起床し、夜が昼へと変わるスリルに満ちた奇跡を見るだろう。 太陽が、眠っている地球を起こす光の壮大なパノラマを、畏敬の念を持って見るはずだ。 この日は、私は過去と現在の世界を慌ただしくかいま見ることに集中するだろう。
人類の進化を壮大に描いたものや時代の万華鏡を見たいと思うだろう。どうやってそんなにたくさんのものを1日に詰め込めるだろうか。 もちろん、博物館を通してだ。 私は展示してある多くのものを手で触れるため、よくニューヨーク自然史博物館に訪れているが、私はそこに展示されている地球とその居住者の凝縮した歴史を、この目でどうしても見たいと思っている。
第10段落
私の次の立ち寄る先はメトロポリタン美術館だろう、というのも、ちょうど自然史博物館が世界の物質的な側面を明らかにしているように、メトロポリタン美術館は人間の精神の無数の側面を明らかにしているからだ。 人類の歴史を通して、芸術的表現への衝動は、食や居住、子孫繁栄の衝動とほとんど同じくらい強い。 そしてここに、メトロポリタン美術館の広大な展示室に、エジプトやギリシャ、ローマの精神が、それらの芸術に表現されているように、私の前で明らかにされている。
第11段落
翌朝、私は新しい喜びを発見したいと思い、再び夜明けを迎えるだろう、というのも、本当に見える目を持つ人々にとって、日々の夜明けは美の永遠に続く新たな啓示に違いないと確信しているからだ。 これが、私が想像した奇跡の条件によれば、私が目が見える3日間の最後の日になる。今日、私は現在の平日の世界で、生涯の仕事に励む男性がよく集まる場所の中で過ごす。