青春プチロマン小説「女が日本一周の旅に出る時」第30話 作/奈良あひる

短篇小説
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=青春プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。

第30話

加恵は宿に戻り、これまた対してない荷物をまとめた。チェックアウトまで時間がある。さぁ帰ろう。胸いっぱいの思い出をリュックに詰め込んで…、ではなく、表情のバリエーションに詰め込んで。

貧乏性のせいかチェックアウトぎりぎりまで宿は出たくないものである。
ちょっと海まで散歩して、と
加恵は何も持たずに海まで歩いた。サンビーチはすぐそば。なんていい宿に出会ったのだろう。

この時間の海は旅館の浴衣を着た人が数人いるぐらいだった。女数人で熱海旅行、そんな経験は加恵にはなかった。楽しいだろうな。私は女ひとり旅。これまでに見た景色なんかはちょいちょいインスタにアップしている。これを見ている人はどう思うだろうか。

電車の中からの山の写真、ランチの写真、神社、夜景、そして熱海の朝の海の写真。
出逢った男とのことは載せていない。

つづく

作者紹介

奈良あひる

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