田中屋の夕刻日誌「銭湯」田中宏明

夕刻日誌
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銭湯って結構行ったほうだと思う。

なんてたって、23歳から30歳まで風呂なしアパートに住んでいたからね。それに酔ってたんだからしょうがないよ。

もうこれは神田川の影響だよね。石鹸カタカタ鳴らして、それで貧乏しながら音楽やって、なんか70年代のあこがれを詰め込んでみたかったっていうかさ。それがいきてるじっかんだとか思ったりしてたんだよね。

まわりの友だちはちゃんと働いていたりして、随分先の方を歩いている感じで、僕はまったく置いていかれてるようで、結婚式なんか誘われても、お金の関係で行けなかったりしたよね。

それでも銭湯へはいって、ゆっくりして、やっぱり酔っていたんだ。

まぁところがさ、ここ最近は妙な災害とかがあったりしてさ、長風呂なんてのができなくなってきたね。お風呂入っているとき地震とか来たらどうするんだってね。全裸で、停電して、銭湯のロッカーも見えなくて、みんな焦ってさ、

それなら、サラッと入ったほうが気持ちいいってもんだって。

家にいたって同じで、早く上がったほうが安心。

なんかゆっくりお風呂に入れたなんてのがものすごくぜいたくだったんだと気づいたりするんだよね。

あの頃はゆっくりお風呂にはいれた。

女は実はそうでもなかったりして、ゆっくりはいっていたりして。

最近は銭湯で待たされるのは男の方なのである。

田中宏明出演ラジオ

第71回!「BerryBerryBreakfastのオールデイズ直江津Radio」ヨーグルト田中とDJシューカイ 話題:手嶌葵と郵便局 小沢健二のアナログ盤

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