=田中屋式短歌= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。約30文字のメルヘンtravelへようこそ
瓶の中の船はどうやってできているのか
吉祥寺 理髪店ことぶき
短歌(田中屋式短歌57585)
瓶の中 あなたの過去は 知らなくて 知らない限りに 続く恋
解説
少年時代の永遠の謎である。親に聞いても誰に聞いてもぼやけた答えしか返ってこなかった。
「船を先に作って、それの周りを瓶で囲むのはできないから、瓶があってその中に作っていくんだろうなぁごごにょごにょ…」
僕もまぁそんな感じかなと思うのだった。
おそろしいのは、今なら調べればわかってしまうことである。わかってしまうのってちょっとこわくもある。まだ調べてないけど。
謎のままにするか迷っている。
メルヘン解釈
物事の判断を「どちらがロマンチックか」とするのも一つである。
ちなみに、船が目に入るようになったのは、下田に行ってからである。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中