プチロマン小説
「時事ネタ」作/奈良あひる

短篇小説
短篇小説

ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。

謎のウィルス

謎のウィルスが世の中を騒がせている。
飛沫によって感染するという噂。飛沫という言葉は、このタイミングではじめて知った。

感染者の吐いたツバがかかって死んだ人がいるという、嘘かホントかわからない話もある。

キスがこわい
キスができない
胸にキスもこわい
男が奉仕してもらうのは大丈夫なのか
ニュースで取り上げられていなかったり、ネットにも載っていなかったり。

どうしたらいいのか。
みんな口には出さないが欲求不満。そんな日々が続いている。

ジョージ「口を一切使わないで最後までできるのかなぁ」
美奈子「できるんじゃない、したことないけどw」
ジョージ「挑戦してみようか」
美奈子「マスクははずさないでね」

二人はホテルに入った。
服の上からあれこれ体のラインを確かめる。
本当はここでキスをしたい、でもそれはできず、
体をすりつけ、揉んでいく。
飛車と角のいない将棋の攻めである。

男は入り込んで、ようやく自由を獲たかのように動いた。

二人はベッドの中で魚になった。

この時点で二人は、キスがなくてもできるということは認識してシャワーをあびた。

そしてここからはノーカウントということで、
シャワーを浴びながら、

ジョージはホテルを出る美奈子の準備を待ちながら、数ヵ月前にであった人妻のルナにメールを送った。

キスなしで最後までできるものなのかな

作者 奈良あひる

女に必要なのは断らない勇気。 それからというもの恋のめぐり合わせが始まったまりました。経験をもとにロマンスをお届けします。 井の頭Pastoralにも寄稿してます。

ZINE“井の頭Pastoral”

シティスナップとエッセイの小冊子(ZINE)読むスプライト。田中宏明編集

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