田中屋スポーツ新聞6/16「中村玉緒と勝新太郎」田中宏明

夕刻コラム(社説盤)
夕刻コラム(社説盤)

田中屋の夕刻コラム

中村玉緒さん通夜 ― 勝新太郎さんとの波乱万丈の愛を偲んで
2026年6月16日、東京都品川区の桐ケ谷斎場で女優・中村玉緒さん(享年86)の通夜がしめやかに執り行われました。6月9日に肺炎で静かに旅立たれた玉緒さん。祭壇にはバラを中心とした色とりどりの花々が飾られ、愛用のココ・シャネルの香水、灰皿、そしてアイコスがそっと置かれていました。着物姿で優しく微笑む遺影は、彼女が最近一番気に入っていた宣材写真だそうです。
約400人の参列者が訪れ、明石家さんまさん、和田アキ子さん、松平健さん、浅田美代子さん、王貞治氏、安住紳一郎アナなど、玉緒さんと親交の深かった著名人が次々と焼香に訪れました。会場は温かな追悼の空気に包まれ、立花理佐さんや西村知美さん、後輩の水森かおりさん・田川寿美さんらが思い出を語る姿も印象的でした。
玉緒さんの人生を語る上で欠かせないのが、夫・勝新太郎さんとの夫婦生活です。1962年、映画共演をきっかけに結婚。一目惚れから始まった二人の関係は、昭和の芸能界を象徴する波乱万丈の物語でした。勝さんの破天荒な生き様―大麻所持事件や多額の借金、勝プロダクションの倒産など―を、玉緒さんは献身的に支え続けました。夫の不祥事の際には捜査員におにぎりを振る舞う度量の大きさを見せ、「夫からもらったプレゼントは14億円の借金。それを全部返したのは私よ(笑)」と、晩年も豪快に語っていました。
1997年に勝さんが65歳で他界する直前、病床で「玉緒、お前は本当にいい女だな」と繰り返し感謝したそうです。玉緒さんは「生まれ変わっても妻に」と語り続け、勝さんと同じお墓に入ることを望んでいました。通夜でも、夫婦の強い絆が参列者の胸に蘇ったことでしょう。
バラエティー番組での独特の関西弁と天真爛漫なキャラクターで愛された玉緒さん。映画や舞台での女優魂も忘れられません。通夜の温かな雰囲気は、彼女がどれだけ多くの人に愛されていたかを物語っています。
玉緒さん、勝さんと天国で再会し、穏やかな日々を過ごされますように。ご冥福をお祈り申し上げます。

タイトルとURLをコピーしました