ラジオドラマ「わけありレストラン キャバレー篇」台本 作/田中宏明

展示・ライブ・出前BGM 短篇小説

〇グランドキャバレー(夜)
 ボーイに案内され席に着く男
 ホステスがテーブルにつく

女「こんばんは、待ちました?アリサです」
男「田中です。全然、待ってないよ。大繁盛で気持ちいね」
女「おかげさまで。乾杯しましょ、水割りでいいかしら」
男「俺みたいなね、金ないサラリーマン組はこういうとこなかなか来れないから 何話していいか、、わかんなくってさ


女「別に話しなくたっていいんですよ」
男「うん、まぁそうだけども、最近笑ったことって何ですか?」
女「最近笑ったこと、、ね。ねぇ田中さん、どこ出身?とか、昼間は何の仕事してるの?とか、なんでこの仕事してるの?とかあるじゃない?そういうの聞かないの?」
男「そりゃ、もう何百回も聞かれて飽きちゃってるでしょ」
女「何千回もね」
男「それにさ、聞いたところで、本当のことなのかってのは全く別の話でしょ。まぁ真実が欲しいわけじゃないけどさ」
女「なによそれ」
男「アリサって名前だって、本当の名前じゃないんだろ」
女「ええ、そうよ。



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