連続プチロマン小説「女が電話に出ない時」最終話

短篇小説
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再び携帯のベルが鳴ったのだ。男からだった。愛子のキケンを察知して電話をかけてきたのだろうか。愛子は我にかえったかどうかはわからなかったが、電源を切り、首に手を回しキスの続きに入った。勝ったと思った。何に勝ったのかはわからないが、とにかく勝ったのだ。そのままベッドになだれ込み、後ろから抱く。

愛子はいつのまにか自らスカートを脱いでいた。
男「愛子の体を100%以上堪能したい」
女「どうぞ」
愛子の最後の一枚に手をかけた…

ゴムを付けていたがイク時は胸に出したかったので、少しリズムは悪くなってしまうが、達する前にゴムをはずして胸に思いっきり出したのを覚えている。また、それをうまくできたことをすこし自信に思った。

愛子は携帯の電源を入れると、電源オフ中に彼から着信があったことを伝えるメールが受信された。

1回目はこれから愛子にあんなこともこんなこともしてしまう男がトボケた顔で出て
2回目はその男とキス中に電源をオフにされ
3回目は愛子の最後の1枚を脱がされるところ
4回目はひとつに溶け合い、愛子が自ら腰を振っている頃
5回目は男が愛子の胸に出した時
そして、6回目のベルを聞きながら、愛子とバスルームへ向かい、シャワーを浴びた。ふたりでまた絶頂に達した。

女が電話に出ない時、電話をすればするほど、どこかの男といくところまでいってしまうようである。

おしまい

作/奈良あひる 写真/田中宏明

下北沢
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