田中屋の夕刻日誌「当店おすすめふわふわオムライス 玉子3個使用!」文/田中宏明

夕刻日誌
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オムライス大好きだ。個数の話になると高校1年の頃を思い出す。


家庭科のテストで、一日に食べる玉子の適量についての論争がありまして。

テストの答案が返却されて、テストの答え合わせを行う流れになる。

=問=
一日に食べる玉子の適量は__個である。
について

1990年代の、僕の母校 聖望学園高等学校としての答えは1でありました。
僕はこの問題は正解でしたが、クラスの中には間違えた人もいます。
なぜ1なのか、その理由は、2個食べると栄養が流れて消えてしまうから、
というものでありました。

「授業で言ったよね」と先生は言いますが、論点は栄養が流れて消えてしまうなら何個食べてもいいのではないかというところです。栄養とりすぎにはならないという意味で。つまり、1でもいいし2でもいいのではないかと。
追試がかかっている生徒は必死である。

もっというと、3個なら、はじめの2個分が消えてなくなって、1個が栄養として残るので、3個でもいいのではないかと。玉子はよく使われるので、一日1個で終わらせるのはむずかしいのではないか。知らぬ間に玉子が混ざっていることもある。

こうなれば、3個も間違ってはいない。栄養にならなくていいので、おいしいから3個ぐらい食べたいという女子も現れて、栄養とりすぎもよくないので、4個がいいというやつが現れ、いやいや、栄養ゼロなら栄養を学ぶ意味もないので、そもそも問題にもならないという観点から、栄養ゼロでもいいから食べたいという発想はやめようよと、学級委員がまとめにかかる。


最終的には、ちょっと数学ができるやつが、(2n+1)個が正解なのではないかと言い出して。
nに510を代入して、一日に1021個食べたとしたら、1020個分の栄養は流れて、1個分栄養をとったことになるというのである。

結局その論争がどういう着地点についたのか思い出せないのです。それは自分が正解だったからかなと思う。そういう意味では、その問題を間違えて、その結果を理解して記憶に残した方が、将来には役立ったかもしれないですね。この文章ももう少し実のあるもの、いや栄養のあるものになったのではないかと思ったりしますね。あの時代の論争は、玉子を一日2個食べてしまったかのように流れていってしまったのであります。またまたそういう意味ではやはり、玉子は1個なのかなぁ。

写真/田中宏明

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