よりぬき!DJシューカイのレコードの部屋No.87

土曜日DJシューカイ枠
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クリスタルキング「愛をとりもどせ!!」EP

アニメ「北斗の拳」のOP、ED曲を歌ったクリスタルキングの13枚目のシングル。当時小学三年生で音楽にまだ興味を示さなかった僕も「〘大都会〙のクリスタルキング」という認識はあり、そのクリスタルキングがアニメの主題歌を歌うと言う事は結構驚きだった。

ことボーカルの田中昌之はアニメが大嫌いな人でこれを歌うことに難色を示したという。資料として渡された北斗の拳も一切読まなかったらしい。これはおそらく「アニメソング」が一般の歌謡曲に劣ると見ているプロのシンガーに良く見られるプライドの表れのように思う。しかし田中も他のアニソンを歌った歌手同様、この歌を歌って良かったと後年語っており自身でソロカバーすらしている。

北斗の拳は核戦争後の世界を描いているが1980代半ばはいわゆる「東西冷戦」状態にありに核戦争の恐怖が子供の僕でさえもありありと感じられた時代だった。チェルノブイリ原発事故もあり、放射能の恐ろしさを全世界の人間が否が応にも思い知らされた。

少年ジャンプでも ひらまつつとむによる作品「飛ぶ教室」が核戦争後に生き残った小学生たちが〘核の冬〙をたくましく生きる姿を描き、我々少年少女に衝撃を与えたものだ。

文芸作品においては五島勉の「ノストラダムスの大予言」が大ヒットし世紀末にこの世界が終わるのではないか?と本気で思わせた。僕ら世代がそういった何かよくわからない〘見えない不安〙みたいなものを感じていたのではないかと僕は思うのです。

とにかく〘世紀末〙は1980年代の文化のキーワードであったと思うのだ。おっと、デーモン小暮閣下の〘聖飢魔II〙もそうでしたな(笑)

北斗の拳のアニメも当時観てましたけどそういう意味もあり怖かったというのが正直な感想です。でもホントリアルに真剣に読んでました。直江津の加藤歯科に少年ジャンプが置いてあり、歯の治療がてらそれを読むのも非常に楽しみでした。今となっては一つ一つの事象がツッコみどころ満載の作品ではありますがケンシロウってかなり天然ボケなヤツじゃないですかね…😂

北斗の拳で人生を例える同世代はかなり多いですから影響力は相当な作品です。

このシングルを聴きながら北斗の拳のコミックス全巻を読むのも一興かも知れません。是非お試しあれ😆

文/DJシューカイ

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